「受動喫煙対策法」が成立 全面施行は2020年 違反者には罰則も

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立した。年内にも一部施行し、東京五輪・パラリンピックを控えた2020年4月に全面施行する。多くの人が集まる施設は原則として、屋内禁煙となる。違反者にはじめて罰則も設けた。

学校や病院、行政機関は全面禁煙 喫煙専用室は認める

 改正健康増進法の基本的な考え方は、(1)「望まない受動喫煙」をなくす、(2)受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者などに特に配慮、(3)施設の類型・場所ごとに対策を実施――というもの。

 国・都道府県・市町村に加え、多数の人が利用する施設などの管理権限者などに、相互に連携をはかりながら協力し合い、受動喫煙が生じないよう、防止のための効果的な措置を総合的に推進するよう求めている。

 対策は3段階で進める。まず年内にも、国や都道府県などが受動喫煙防止の周知・啓発をはじめる。続いて2019年夏ごろから学校や病院、行政機関などの敷地内を全面禁煙にする。ただし屋外の喫煙専用室の設置は認める。

 2020年4月の全面施行で会社、大型飲食店、ホテルのロビーなども原則として屋内禁煙となる。喫煙専用室を設ければ喫煙を認めるが、国が定める基準を満たす必要がある。

飲食店では例外も認める 55%が例外の対象に

 一定の条件を満たす飲食店については、経過措置として例外を認めた。厚生労働省は、飲食店全体の約55%が例外の対象になると推計している。

 既存店で、(1)客席面積が100平方メートル以下、(2)個人経営か資本金5,000万円以下の中小企業が営む――の2条件を満たす場合は当面、店頭に「喫煙」などと表示すれば喫煙可にできる。

 葉タバコを燃やすのではなく、加熱して発生する蒸気を楽しむ「加熱式たばこ」も規制の対象となる。ただし、加熱式たばこは受動喫煙による健康への影響が明らかでないとして、同たばこ専用の喫煙室では飲食も可能にする。

 都道府県などの指導や勧告、命令に従わない違反者には罰則も適用。禁煙場所で喫煙した個人に30万円以下、禁煙場所に灰皿などの喫煙器具や設備を設けるなどした施設管理者に50万円以下の過料を科す。

 厚労省は今回の改正法により、世界保健機関(WHO)の規制レベルで1ランクがひとつ上がるとするが、現状では日本の4段階の最低だ。WHOに加盟する186ヵ国のうち、行政機関、病院や学校、飲食店、バーなど公共の場すべてを屋内全面禁煙としている国は55ヵ国に及ぶ。

都条例は政府の健康増進法改正案より規制が厳しい

 東京都では受動喫煙防止条例が6月に成立し、東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、政府よりも厳しい対策が導入される。

 病院や大学、官公庁に加えて、小中高校や保育所、幼稚園も敷地内禁煙とし、屋外の喫煙場所の設置も認めない。都内の飲食店は面積に関係なく規制の対象とする。従業員を雇う店は原則屋内禁煙で、煙を遮断する専用室を設ければ喫煙を認める。

 都の試算では都内の飲食店の84%が条例で喫煙できなくなる。国同様、2020年4月に全面施行する。

受動喫煙対策(厚生労働省)