第4回(2017年度 第4回)カンファレンス(2月20日開催)の開催レポートを公開しました!

「職場巡視」 現場で一緒に考えられる”味方、サポーター”になることを目指して~「産業保健師が行う職場巡視」について話し合い~【産保PC第4回(2017年度 第4回)レポート】

  産業保健プロフェッショナルカンファレンス(主催:保健指導リソースガイド)の第4回(2017年度 第4回)が、2月20日に東京都中央区のベルサール八重洲で開催されました。今回のテーマは「産業保健師が行う職場巡視」で、事業所、健康保険組合、健診機関に勤める産業保健師22名が参加しました。

 今回のテーマは「職場巡視」。グループワークでは、具体的に職場で何をすればいいのかといった方法を紹介するのではなく、職場巡視の”考え方・あり方”を参加者が持つ共通の背景を通じ考えていきました。

産保PCでこれまで学んできたことは”考え方・あり方”

 今回のグループワークも、これまでと同じく村田陽子さん((有)ビーイングサポート・マナ代表、保健師)、亀ヶ谷律子さん(HSプランニング代表、保健師)の2名にサポートいただきました。

 第4回を迎えた今回、改めて産業保健プロフェッショナルカンファレンスで学ぶことをおさらいしました。最初のプレ開催では「キャリアについて」、第1回は「産業保健師とは」、第2回は「保健指導」、第3回は「メンタルヘルス」をテーマに実施してきました。

 そこで共通するは、「大きな目的は明日から職場で使える具体的なノウハウを知ることではなく、どんなふうにやっていけばいいかという”あり方”を学んでほしいと考えています。例えば、お腹が空いている人に魚をあげるのではなく、魚のとり方を教えるようなイメージです」(村田さん)とし、今回のテーマ「職場巡視」についても、同様にとらえ職場巡視の”考え方・あり方”を紹介し、参加者同士のグループワークで考えていきました。

産業保健師として、「職場が病院」であった場合の職場巡視をするとしたら?

 職場巡視を考えるグループワークを始めるにあたり、アンケートを行いました。病院での勤務経験を聞いたところ、ほんとんどの参加者が、病院での勤務経験や、病棟実習の経験があるので、参加者の共通背景でイメージしやすいものとして「職場が病院」という設定になりました。

 そこで一つ課題です。病院も職場巡視の対象となることを考えると、自分が産業保健師として「病院」に職場巡視に行った際、「何を見るか?」「何をチェックするか?」「何を聞くか?」について一人10個あげていきました。

 その後、グループでそれぞれのキーワードを確認し、カテゴリー別にまとめていきます。そうすると自然と、3管理(作業管理、作業環境管理、健康管理)にわけることができます。

職場巡視のキーワードがすぐに出てきたのはなぜ?

 その答えは、「病院」という現場を知っているからです。

 そこで「どんな仕事をしているか、またどんな人が働いているか」を知っているからです。職場巡視のチェックリストを考えるとき「誰がどんな仕事をして誰に向けてやっているか」を知ることがポイントと言います。それを知らないと一般的なことしか出てきませんが、働いている現場を知っていれば、より具体的なことに気付くことができます。

 また、3管理の中で健康管理は、産業保健師として特に意識して欲しい項目とし、健康管理として分類したキーワードを各グループに発表してもらいました。「表情を見る」「コミュニケーション」「勤務形態(労働時間)」「睡眠時間」「タバコの匂い」・・・など。

 職場巡視は「チェック」の意味から出来ていないところを探し出すために行うのではなく、日頃から気を付けておく項目として、管理者と産業保健師の共通認識を持つことが大切とのことです。

チェックされる側の気持ちを考えてみる

 今度は、反対に、職場巡視を受ける側に立って、自分が責任者だった場合、「どういった気持ちになるか?」「どういった行動をとるか?」をグループで話し合いました。

 すべてのグループで職場巡視を受ける時に「指摘される、怒られる、ダメだしされる」と考え、「嫌だ、負担だ」といった気持ちになることがわかりました。

 職場巡視を受ける側としては、指摘されそうなところを隠す、出来ているふりをするといった対策をしようとします。その中では、本来の職場巡視の目的「安全で健康が保てる職場かどうか確認したい」が達成できていません。その結果、やるべき対策がとれずにそれが事故につながる可能性もあります。

 職場巡視に行くとき「わたしたちは指摘したいわけでもなく、怒りたいわけでもない」と思っていますが、職場は、否定的に感じていることが多いため、その結果、上手くいかないことになりがちです。

ありのままの現場を見られる産業保健師になる

 そこで、自分が職場巡視に行くとき、「どんな気持ちでいるか」、また「どんなことを伝えたいか」をグループで話し合いました。

 あがってきた声は、▼プラス面も見ますよ、▼チェックシートは働きやすくするためですよ、▼ケガ人、病人を出さないためですよ、▼味方、サポーターになりますよ、▼一緒に改善していきましょう、など。

 村田さんは、産業保健師が行う職場巡視としては、チェックだけで終わらず、「本当はどうなの?」を聞き取ってあげたり、「なんで解決できないか」を一緒に考えられる”味方、サポーター”になることが大切と言います。

 また、職場巡視の際、事前に「ちょっと見てくれる?」と聞いてもらえる、また、日常の困りごとなどの裏情報も教えてもらえるような関係性を構築し、相談してもらえる産業保健師になってほしいとまとめました。

【選んで楽しい、当日の軽食】
ベーグルベーグル、ファミマ「スクイーズスクイーズ」他

産保PC 今後の活動は・・・

 今回ご参加者の皆さま、また、これまでご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。また、懇親会まで参加いただいた方も遅い時間までありがとうございました。今年度の予定されていた活動はこれで最後となります。

 来年度も、年4~6回程度、同様な形での開催を予定していますが、日程やプログラムなど詳細は現在、計画中です。皆さまの様々なご意見・ご要望を今後実施するアンケートにていただけますと幸いです。出来るだけ、多くの方のご希望を反映できるようにしていきたいと思っています。なお、アンケートの実施は、後日、WEBサイトやメールマガジンにてご案内させていただきます。是非、ご協力の程よろしくお願いいたします。

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